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コラッ!ム その5 「財団法人 日本相撲協会」

若干落ち着きを取り戻してはいるが、国技大相撲が揺れている。集団暴行事件、大麻事件、外国人力士の席巻、横綱朝青龍の所業や態度、無気力相撲等々、問題点を数え上げたら切りがない状況だ。そこで今回は、なぜ今、大相撲に幾つもの問題が起きているのか、その理由を明らかにしたいと思う。

ズバリ 「呼び出し」 と 「懸賞」 が今の相撲界の堕落を象徴していると思う。

一見関連性の無い組み合わせだが、この2つには大きな共通点がある。テレビ映像で 「見る」 ことは出来るが、テレビではどちらも 「音」 が消されているという点である。

呼び出しの所作は、一昔前のテレビ放送ではハッキリ映されていた。もちろん音声もしっかり流されていて、子どもの頃などはその節回しの巧さに感動し、相撲を取って遊ぶときも皆が真似をしていた。また、福祉大相撲などのイベントでは相撲甚句のコーナーがあり、呼び出しが、あの美声と力士名や地名などを織り込んだ工夫された歌詞で楽しませてくれた。特に 「呼び出し三郎」 の甚句などは芸術品と言われたものだった。

仕事柄、最近はラジオで相撲を聞くことが多い。そこでは、近年テレビではほとんど聞こえなくなった呼び出しの声がかなり鮮明に聞き取れる。しかし、聞いていて悲しくなるほど下手な呼び出しが多いのである。明らかに音痴である者も少なからず存在している。

呼び出しは、この呼び出しという仕事だけでなく、触れ太鼓を叩いたり、土俵を作ったり、他にも色々な仕事を受け持っているようだが、最も大切な仕事は土俵上で対戦力士を 「呼び出す」 ことに決まっている。にもかかわらず、その基本となる仕事を満足に出来ないものが、今の大相撲には多数存在していることになる。

不真面目だと言っているわけではない、才能が無いと言っているのだ。想像するに、高度成長期以降、呼び出しという職業選択をする人の絶対数が減り、来るもの拒まずで採用していった結果なのではないだろうか。そして、NHKと相撲協会は、この呼び出しの技量不足を隠すべく音声を消しているのではないだろうか。

弱い力士には各界を去ることしか道はないし、正しい判定の出来ない行事にも出世の道はないはずだ。しかし、呼び出しは上手かろうが下手であろうが、出世の道にはあまり影響が無い・・・ように見えてしまう。

横綱審議委員の内館牧子や相撲好きのやくみつるなどは、朝青龍の態度や不甲斐ない若手力士に対してよく苦言を呈しているが、であるならば、なぜこの呼び出しの技量低下を批判しないのか、僕には不思議でならない。

次に懸賞だ。

懸賞においては、NHKでの放送だからコマーシャル映像や音声を流すことが出来ず、呼び出しが土俵の周りを回っている姿を遠目に映すだけに留まっている。これは仕方のないことであろう。ただ実際の館内では、大音量で個々の企業名を連呼しており、数度しか足を運んだことのない僕などは、その差に大変驚いたものだ。

近年、この懸賞の掛け方に疑問を持たざるをえない。

あるお茶漬けメーカーを例に取ると、コマーシャルで使っている力士に3本、横綱の取り組みにも3本、そして、中日、千秋楽の結びなどの休日で注目が集まる取り組みには5本と、まとめた数の懸賞を出し続けている。なぜこれほどまとめて出さなければならないのだろう。

本来の懸賞の意味は、いわゆる 「花相撲」。 「ご贔屓の力士」 の 「ここ一番の取り組み」 に掛けるものだと思うのだが、コマーシャル効果を考えてか、視聴率の高そうなところばかりに掛けるので、僕などは興ざめしてしまう。

結果、特定の取り組みに過度に集中するので、千秋楽の勝者などは、行事から懸賞を受け取る時、両手で拝み取るような所作になり、その姿が実に醜悪に見えてしまう。右手で手刀を切って、そのまま片手で受け取るのが、粋であり決め事だと思うのだが、いかがなものだろう。

色々書いてきたが、そろそろまとめに入ろうと思う。

相撲は元来神事から出てきており、今もなおその色彩を色濃く残している。定期的に天覧相撲が行われるのも、それ故だと思う。であるから、相撲には数々の決められた所作があり、また、人間離れした 「角力」 による真っ向勝負が求められ、卑怯な勝ち方を忌み嫌い、上位力士特に奉納の務めを担う横綱には心技体が求められるのだ。

しかるに、音程を外す呼び出しがいて、花相撲の趣旨も分からない懸賞の掛け方をするスポンサーがいて、その異常な懸賞の束を両手で拝み取りする横綱がいて、それらを黙認する組織上層部がいるのでは、すっかり前提がおかしくなってしまう。僕は何も昔を懐かしんで言っているわけではないが、今の大相撲は 「美しさ」 を失ってしまっている。

コラッ! 日本相撲協会を仕切る元力士達!! 

ズバリ、行司、呼び出し、床山に代表される裏方の待遇を改善し、彼らのステータスを上げろ。そして、能力のない者を一掃し美しい所作を取り戻させろ。その上で、力士たちには勝ち負けを越えた潔く美しい戦いの持つ意味を周知徹底しろ。もちろん、谷町(スポンサー)筋へも美しさを求めろ。

さし当たって難しいことは要求しない。まず基本から始めよう。そして、相撲本来の戦う意味、美しく戦う姿を土俵上に表現しよう。相撲ファンは、少なくとも僕だけは、そんな美しくてしかも超越した 「モノ」 を土俵上に求めている。

大鵬は強くて美しかった。千代の富士は早くて美しかった。
そして三郎の声は、国技館に響き渡っていた・・・。

小学校時代、地区の子ども相撲で横綱になれなかった元少年より

 東京深川の富岡八幡宮
 横綱力士碑
 この後に続くのは・・・
 超五十連勝力士碑、双葉山・千代の富士
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